看護学校受験の勉強は、問題集を…
看護学校受験の小論文は何を書く?テーマ例・構成・評価される書き方を解説
看護学校受験の小論文では、与えられた問いに対して、自分の考えを理由や具体例とともに筋道立てて書きます。「看護師になりたい」という熱意だけを伝える文章ではなく、設問に答え、根拠を示して考えを伝えることが基本です。
「医療の知識がないと書けないのでは」「作文と何が違うの?」「800字も何を書けばよいかわからない」と、不安を感じる方もいるでしょう。
看護系の小論文には、テーマについて意見を述べる問題だけでなく、課題文の要約、筆者の考えの説明、図表の読み取りなどもあります。まずは志望校の出題形式を確認し、問われている内容に合わせて書く練習を始めましょう。
この記事では、看護大学・看護専門学校を目指す高校生・社会人・既卒者に向けて、小論文のテーマ例、基本構成、書き出し、練習方法、添削の活用法を解説します。
※小論文の出題形式、字数、試験時間、評価基準は学校・入試方式・年度によって異なります。本記事のテーマ例と答案例は練習用に作成したもので、特定の学校の過去問や公式模範解答ではありません。受験時には志望校の最新募集要項・過去問・出題意図を確認してください。
看護学校受験の小論文では何を書く?
看護学校受験の小論文で書く内容は、設問によって決まります。医療や看護の知識を一方的に披露するのではなく、「何について、どのような答えを求められているか」を読み取ることから始めましょう。
作文・志望理由書との違いを知る
小論文を「看護師になりたい気持ちを長く書く文章」と考えると、設問から外れてしまうことがあります。作文や志望理由書とは、主な目的を分けて考えると整理しやすくなります。
| 文章の種類 | 主な目的 | 書く際の中心 |
|---|---|---|
| 作文 | 経験や考え、感じたことを伝える | 出来事と、そこから得た気づき |
| 志望理由書 | 学校や進路を志望する理由を伝える | 志望動機、学校との接点、将来像 |
| 小論文 | 問いについて考え、根拠をもって論じる | 主張、理由、具体例、考察 |
ただし、実際の入試では「自分の経験を踏まえて述べなさい」と求められることもあります。文章の名称だけで判断せず、設問の指示を優先してください。
たとえば「看護におけるコミュニケーションについて論じなさい」という問いに、幼い頃に看護師へ憧れた経験だけを書いても、十分な回答にはなりません。その経験から何を考え、なぜコミュニケーションが重要なのかまで説明する必要があります。
看護系のテーマでも、最後は設問に戻る
看護系の小論文だからといって、すべての答案を「私は患者さんに寄り添う看護師になりたい」で締めくくる必要はありません。
筆者の主張の要約を求められたら、まず課題文の内容を正確にまとめます。図表から読み取れることを問われたら、資料に示された事実を説明します。自分の意見を述べるのは、それが求められている部分です。
富山県立大学の看護系小論文の出題意図では、筆者の主張や意図を理解する読解力と、自分の考えを根拠に基づいて整理し、論理的に表現する力を分けて評価すると説明されています。「読む力」と「意見を書く力」の両方が必要だとわかります。
「何を書けばよいか」は設問を分けると見えてくる
書く内容が思いつかないときは、知識が足りないと考える前に、設問を小さな問いに分けてみましょう。課題の範囲がはっきりすると、必要な材料を選びやすくなります。
たとえば、次の練習用設問を考えてみます。
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための課題を一つ挙げ、その解決に向けて必要な支援について、あなたの考えを述べなさい。
この場合、少なくとも次の三つに答える必要があります。
- どのような課題を取り上げるのか
- その課題が、なぜ暮らし続けることを難しくするのか
- どのような支援が必要で、なぜ役立つと考えるのか
「高齢者に優しくすることが大切だ」と書くだけでは、課題と支援の関係が十分に説明されません。一方、「移動手段の不足」を課題とするなら、通院や買い物への影響、本人の希望、地域の支援など、考える順番が見えてきます。
書き始める前に「この答案で答えるべきこと」を箇条書きにする習慣をつけましょう。
まず確認したい小論文の出題形式
小論文対策は、テーマを覚える前に出題形式を確認すると進めやすくなります。テーマ型・課題文型・資料型では、読むべき情報と答案の作り方が異なります。
テーマ型:問いに対する立場を決めて論じる
テーマ型は、示された課題について自分の考えを述べる形式です。「信頼関係」「思いやり」「地域で支える医療」などを題材に、意味、課題、必要な行動を整理する練習ができます。
書き始める前に、テーマの範囲を確認しましょう。
- 「重要性」を問われているのか
- 「課題」を挙げるのか
- 「解決策」を提案するのか
- 自分の経験を含める必要があるのか
「重要だと思う」と述べるだけで終わらず、なぜ重要なのか、どのような場面で必要なのかまで考えます。
課題文型:筆者の考えと自分の考えを分ける
課題文型では、文章を読んで内容を説明したり、要約したり、その文章を踏まえて自分の意見を書いたりします。
注意したいのは、筆者の考えと自分の意見を混ぜないことです。「筆者は〜と述べている」「私はこの指摘について〜と考える」のように区別すると、答案の役割が明確になります。
大学の公式サイトでは、小論文の問題だけでなく出題のねらいを掲載している場合があります。東京医科大学看護学科も、選抜区分ごとの小論文問題と出題のねらいを公開しています。志望校に同様の情報があれば、問題と合わせて確認しましょう。
課題文の要約は、段落ごとの役割を整理する
要約では、自分が印象に残った箇所だけを抜き出すのではなく、筆者の主張と、その主張を支える説明を整理します。自分の感想や意見は、求められていない限り加えません。
読みながら、次のようにメモしてみましょう。
- 筆者が問題にしていることは何か
- 筆者が最も伝えたいことは何か
- その理由は何か
- 具体例は何を説明するために置かれているか
- 対比されている考え方はあるか
具体例の細部をすべて残すと、主張をまとめる字数が足りなくなります。「この例は何を示しているのか」を一段抽象化すると、必要な内容を残しながら短くしやすくなります。
なお、「課題文全体を要約する」のか、「下線部の意味を説明する」のかでも答え方は異なります。要約問題だと思い込まず、設問の対象範囲を確認してください。
資料型:事実と推測を区別する
資料型は、表やグラフなどを読み取って考える形式です。資料から直接わかる事実と、自分が考えた理由・背景を分けて書くことがポイントです。
たとえば、ある割合が増加しているグラフだけを見て、その原因まで断定することはできません。
- 事実:「資料では、対象者に占める割合が増加している」
- 考察:「背景として、〇〇の影響が考えられる」
- 限界:「ただし、この資料だけでは原因を特定できない」
このように、資料の範囲を超えて言い切らない姿勢を意識しましょう。
看護大学と看護専門学校は、学校種別だけで対策を決めない
看護大学の小論文と看護専門学校の小論文は、名称だけで難易度や出題内容を判断しないことが大切です。同じ学校でも、一般選抜・学校推薦型選抜・社会人選抜で問題が異なる場合があります。
たとえば、高知県立大学は、看護学科の学校推薦型選抜と社会人選抜の小論文を、それぞれ別の資料として公開しています。受験する学校名だけでなく、選抜区分まで合わせて確認する必要があります。
過去問を調べるときは、次の条件をそろえて記録しましょう。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 学校・学科 | 看護大学の学部・学科、看護専門学校の課程 |
| 選抜区分 | 一般選抜、学校推薦型選抜、社会人選抜など |
| 問題形式 | テーマ型、課題文型、資料型、小問の組み合わせ |
| 字数 | 小問ごとの指定字数・字数の上限 |
| 時間 | 試験全体の制限時間 |
| 公開情報 | 出題意図、採点評価基準、解答例の有無 |
「看護専門学校だから経験談だけでよい」「看護大学だから専門用語を多く書くべき」と決めつけず、実際の問題に合わせて準備しましょう。
看護学校の小論文で練習したいテーマ例
小論文のテーマ対策では、予想問題の丸暗記より、一つのテーマを複数の立場から考える練習が役立ちます。以下は練習用のテーマ例であり、出題頻度のランキングではありません。
| 練習テーマ | 練習用の問い | 考える視点 |
|---|---|---|
| コミュニケーション | 相手を理解するために大切なことは何か | 聴く姿勢、確認、思い込み |
| 患者の意思の尊重 | 自分と異なる選択をする人にどう向き合うか | 価値観、説明、意思確認 |
| 高齢者と地域生活 | 高齢者が地域で暮らすために必要な支援は何か | 本人の希望、家族、地域 |
| チーム医療 | 異なる専門職が協力する際に必要なことは何か | 役割理解、情報共有 |
| 多様性 | 背景の異なる人を理解するために何が必要か | 文化、言語、生活環境 |
| 健康情報 | インターネット上の健康情報とどう付き合うか | 根拠、情報源、わかりやすさ |
| 災害と支援 | 災害時に配慮が必要な人をどう支えるか | 生活条件、情報、連携 |
| 医療と技術 | 技術の活用と人による支援をどう両立するか | 利便性、限界、対話 |
テーマを調べるときは、用語の意味だけを覚えず、「誰にどのような困りごとがあるのか」「一つの方法で全員を支えられるのか」を考えてみてください。
さくら看護予備校の小論文指導でも、生命倫理、チーム医療、地域包括ケアなどの背景知識と、看護の視点を扱うことが案内されています。
専門知識を無理に難しく書かない
受験生の段階で、専門用語を多用した文章を目指す必要はありません。意味を十分に理解していない言葉は、自分の文章の中で説明できる表現に言い換えましょう。
たとえば「多職種連携が重要である」と書くなら、「なぜ、一つの職種だけでは対応しきれないのか」「情報共有によって何が変わるのか」まで説明すると、言葉だけの主張になりにくくなります。
知らない統計や数値を推測で書くことも避けてください。正確に確認できない場合は、数字を使わずに論じるほうが適切です。
医療経験がなくても考えられる
高校生なら学校生活や部活動、社会人なら仕事や地域活動、既卒者なら学び直しの経験など、身近な場面から考えることもできます。
ただし、「自分の経験があるから、すべての人にも当てはまる」と一般化しないことが大切です。経験は主張を支える一例として使い、異なる状況の人にも目を向けましょう。
一つのテーマを「本人・周囲・仕組み」の三方向から考える
考察が浅いと感じたら、個人の努力だけで解決しようとしていないかを見直します。本人の希望、周囲との関係、利用できる仕組みという三方向から考えると、論点を広げやすくなります。
たとえば「健康情報との付き合い方」であれば、次のように整理できます。
| 視点 | 考える問い |
|---|---|
| 本人 | 情報を理解できるか、不安や疑問を相談できるか |
| 周囲 | 家族や支援者は、本人の判断をどう支えられるか |
| 仕組み | 信頼できる情報へたどり着きやすい環境があるか |
ただし、すべての視点を一つの答案に詰め込む必要はありません。設問と字数に合わせて、主張を支える論点を選びましょう。
「本人が気をつければよい」「家族が支えればよい」と一方だけに負担を寄せず、何が現実的に必要なのかまで考える練習になります。
基本構成は「主張・理由・具体例・まとめ」
小論文の構成に迷ったら、最初に自分の答えを決め、その理由と具体例を整理しましょう。序論・本論・結論という枠組みは便利ですが、要約などの小問にまで無理に当てはめる必要はありません。
書く前に四つのメモを作る
文章を書き始める前に、次の四つを短く書き出します。
- 主張:問いに対して、自分はどう考えるか
- 理由:なぜそう考えるか
- 具体例:どのような場面で説明できるか
- まとめ:以上を踏まえて何が必要か
たとえば「相手を理解するために大切なこと」を考えるなら、次のように整理できます。
| 要素 | メモの例 |
|---|---|
| 主張 | 自分の理解が正しいか、相手に確認することが大切 |
| 理由 | 同じ言葉でも、背景によって意味が異なるため |
| 具体例 | 「大丈夫」という返答を、問題がないと決めつけない |
| まとめ | 聴くことと確認することを組み合わせる |
この段階で理由が思いつかない場合は、文章量を増やす前に主張を見直します。書き出してから迷うより、骨組みの段階で調整するほうが整理しやすくなります。
800字なら、段落ごとの役割を決める
800字の小論文では、段落の役割を先に決めると、同じ話を繰り返すことを防げます。以下は練習用の配分例です。
| 段落 | 内容 | 配分の例 |
|---|---|---|
| 第1段落 | 問いへの答え・主張 | 100〜150字 |
| 第2段落 | 理由と背景 | 150〜200字 |
| 第3段落 | 具体例と考察、別の立場への配慮 | 300字前後 |
| 第4段落 | 主張の整理・必要な行動 | 残りの字数 |
字数配分は学校の規定ではなく、練習の目安です。「800字以内」「600〜800字」「800字程度」など、実際の指示に合わせて調整してください。
また、二つの小問に分かれている場合は、一つの800字答案として考えないようにしましょう。小問ごとの字数と、求められている内容を優先します。
書き出しは問いに直接答える
書き出しで迷ったら、テーマの説明を長く続けず、問いに対する答えを示してみましょう。
- 重要なことを問われた場合
「私は、〇〇には△△が重要だと考える。」 - 課題と解決策を問われた場合
「〇〇の課題は△△にあり、その改善には□□が必要である。」 - 課題文への意見を求められた場合
「筆者の〇〇という指摘に対し、私は△△と考える。」
これらは使える表現の例であり、必ず使う決まりではありません。設問に合うかを確認して選びましょう。
字数が足りないときは、説明の抜けを探す
800字の指定に対して短い文章で止まってしまう場合、同じ主張を言い換えて増やすのではなく、説明が抜けていないかを確認しましょう。
たとえば、次の問いを自分の文章に向けます。
- なぜ、その主張が必要なのか
- 誰が、どのような場面で困るのか
- 具体例は主張とどうつながるのか
- 提案した方法には、どのような限界があるのか
- 別の立場から見ると、どのような配慮が必要か
「対話が大切だ」と書いたなら、対話によって何を確認できるのか、対話だけでは難しい場合にどう考えるかを説明できます。
ただし、字数を増やすためだけに新しい論点を次々と加えると、主張がぼやけます。一つの主張を丁寧に説明することを優先してください。
字数が超えるときは、段落の役割で削る
字数を大幅に超えてしまう場合は、言葉を短くする前に、同じ役割の文章が重複していないかを見直しましょう。
特に削りやすいのは、次のような部分です。
- 結論を同じ内容で何度も述べている箇所
- 主張に関係しない経験の細部
- 課題文を必要以上に長く紹介している箇所
- 「とても大切だ」「非常に重要だ」などの強調の重複
- 設問で求められていない志望動機
残すべき内容は、問いへの答えと、それを支える根拠です。削った後も、主張と理由のつながりが途切れていないか確認しましょう。
練習用の短い答案例と改善のポイント
例文は丸暗記するためではなく、主張と理由がどのようにつながっているかを学ぶために使います。以下は編集部が作成した短い練習例で、指定字数の完成答案ではありません。
テーマ例:「相手を理解するために大切なこと」
私は、相手を理解するためには、自分の受け取り方が正しいかを確かめる姿勢が大切だと考える。同じ言葉でも、置かれている状況によって意味が異なるからである。
たとえば、困っている人が「大丈夫」と答えたとき、それだけで支援は不要だと判断することはできない。遠慮している場合や、自分の困りごとを言葉にしにくい場合も考えられる。だからこそ、決めつけずに話を聴き、必要に応じて確認することが重要である。
一方、理解したいという気持ちから、相手が話したくないことまで尋ね続けるのも適切ではない。相手の意思や距離感を尊重する必要がある。相手を理解するとは、自分の考えに当てはめることではなく、対話を通じて理解を修正し続けることだと考える。
この例では、最初に主張を示し、その理由、具体例、行き過ぎた対応への注意を順番に書いています。「優しく接することが大切」と述べるだけでなく、何をするのかまで具体化している点がポイントです。
抽象的な表現を、行動が見える表現へ変える
小論文でよく使う言葉も、説明を添えなければ意味が曖昧になります。
| 抽象的な表現 | 具体化する方向 |
|---|---|
| 寄り添う | 相手の不安を聴き、理解した内容を確かめる |
| 思いやりを持つ | 自分の都合だけで判断せず、相手の希望を確認する |
| コミュニケーションを取る | 話を聴く、説明する、理解を確認する |
| 連携する | 必要な情報を共有し、役割を確認する |
| 多様性を尊重する | 背景や価値観の違いを前提に考える |
良い言葉を探すより、「具体的に何をすることなのか」を一文加えてみましょう。ただし、設問にない行動提案を無理に増やす必要はありません。
改善例:「思いやりが大切」で止めない
表現を具体化するときは、抽象語を別の抽象語に言い換えるだけで終わらないようにします。主張、理由、行動を順番につなげることがポイントです。
| 段階 | 練習用の文章 |
|---|---|
| 改善前 | 看護師には思いやりが大切である。患者さんに寄り添う必要があるからだ。 |
| 理由を具体化 | 看護師には、患者さんが何に不安を感じているかを確かめる姿勢が大切である。同じ病気でも、生活や価値観によって心配することが異なるためだ。 |
| 行動と注意点を追加 | そのため、説明を急ぐ前に話を聴き、理解した内容を確認する必要がある。ただし、話したくないことを無理に聞き出さず、本人の意思を尊重することも重要である。 |
これは「思いやり」という言葉が悪いという意味ではありません。その言葉を使うなら、自分がどのような姿勢や行動を指しているかを説明しましょう。
また、実際の医療場面について専門的な対応を断定する必要はありません。受験生として、相手の立場をどう理解し、何を学ぶ必要があると考えるかを整理してください。
評価される書き方を確認する
小論文の評価基準は学校によって異なりますが、設問の理解、論理のつながり、根拠、表現を確認することが対策の基本になります。志望校が採点評価基準や出題意図を公開している場合は、その内容を優先しましょう。
高知県立大学は、看護学部の過去問題とともに出題の意図・採点評価基準を選抜区分別に公開しています。問題だけでなく、「何を評価しようとしているか」まで確認できる学校もあります。
設問で求められたことに答える
文章が整っていても、問いと答えがずれていると、必要な内容を伝えられません。書く前に、指示語へ線を引く習慣をつけましょう。
- 「説明しなさい」なのか
- 「要約しなさい」なのか
- 「あなたの考えを述べなさい」なのか
- 「経験を踏まえて」と指定されているか
- 「課題と対策」の両方が必要か
読み終えたら、設問を自分の言葉で短く言い換えます。「この問題は、〇〇について△△を書く問題だ」と整理してから構成を作ると、脱線を防ぎやすくなります。
主張と根拠の間を飛ばさない
「高齢者が増えるので、看護師の思いやりが必要だ」と書いた場合、その間の説明が足りません。
どのような困りごとがあり、どのような支援が必要で、なぜその対応が役立つのか。読み手が順番に理解できるようにつなげましょう。
富山県立大学の出題意図でも、根拠に基づいて自分の考えを整理し、論理的に展開して表現する力が評価対象とされています。結論だけでなく、そこへ至る考え方を見せることが大切です。
表記・字数・文体を最後に見直す
内容を考えることに集中すると、誤字や主語・述語のずれを見落としがちです。見直しでは、次の項目を順番に確認しましょう。
- 字数・設問の条件を守っているか
- 誤字脱字や用語の誤りがないか
- 主語と述語が対応しているか
- 一文に内容を詰め込みすぎていないか
- 「です・ます」と「だ・である」が混在していないか
- 同じ説明を繰り返していないか
文体は、練習時には「だ・である調」などに統一すると管理しやすくなります。原稿用紙や解答欄の使い方について指定がある場合は、学校の指示に従ってください。
「評価されそうな答え」を探しすぎない
看護系の小論文では、優しさ、責任感、協調性などの言葉を並べるだけで、考察が浅くなることがあります。大切なのは、好ましく見える言葉を選ぶことではなく、問いについてどう考えたかを説明することです。
たとえば、「本人の意思を尊重すること」と「安全に配慮すること」が同時に必要な場面では、一方だけを絶対視すると説明が単純になりがちです。何を確かめ、どのような配慮が必要なのかを考えることで、判断の過程を示せます。
高知県立大学の看護学科の募集要項でも、小論文について、看護学科で学ぶ上で必要な思考力・判断力を総合的に評価すると示されています。立派な結論の暗記ではなく、自分で考える練習を重ねましょう。
小論文対策の進め方と添削の活用
小論文は、テーマを読むだけではなく、書いて見直すことで課題が見えてきます。過去問の確認、構成練習、時間を測った執筆、添削後の書き直しを一つの流れにしましょう。
過去問と出題意図を先に確認する
志望校の過去問では、テーマだけでなく、課題文の長さ、小問の数、字数、試験時間を確認します。
東京医療保健大学は過去問題・解答・出題意図を公開していますが、著作権の関係で一部掲載されない場合があると案内しています。公開PDFに課題文が載っていないときは、問題が短いと判断せず、学校の案内で入手方法を確認しましょう。
最初は構成メモ、次に時間を測って書く
書き慣れない段階では、まず10分ほどで「主張・理由・具体例・まとめ」のメモを作る練習から始めます。その後、文章にしてみましょう。
慣れてきたら、本番の時間に合わせて練習します。たとえば60分のテーマ型問題なら、構想10分、執筆40分、見直し10分という配分を試せます。ただし、課題文が長い問題では読解時間も必要です。自分の書く速さと出題形式に合わせて調整してください。
独学では「設問・内容・表現」の順に見直す
独学で小論文を見直すときは、最初から誤字だけを探すのではなく、答案全体の役割を確認しましょう。内容のずれを直した後に、細かい表現を整える順番がおすすめです。
| 見直す順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1. 設問 | 指示された問いにすべて答えているか |
| 2. 主張 | 自分の答えを一文で説明できるか |
| 3. 理由 | なぜそう考えるのかが書かれているか |
| 4. 具体例 | 主張に関係する例になっているか |
| 5. 考察 | 例から何がいえるかを説明しているか |
| 6. 表現 | 文体、誤字、主語・述語、字数に問題がないか |
書いた直後には気づけなくても、少し時間を置いて読むと、説明不足が見つかる場合があります。段落ごとに「ここで何を伝えているか」を短く書き出すと、重複や脱線も確認しやすくなります。
添削後は「次に直す一点」を決める
添削を受けたら、修正された文章を読むだけで終わらせないことが大切です。
「理由が抽象的」「設問の後半に答えていない」「具体例の説明が長い」など、指摘された課題を短く記録しましょう。次の答案では、そのうち一つを重点的に改善します。
さくら看護予備校の小論文対策コースでは、テーマ分析と構成作り、制限時間内の執筆、講師によるフィードバック、模範解答の読み比べ、反復練習という流れを案内しています。
高校生・社会人・既卒者で、使える経験を整理する
小論文に経験を用いる場合は、年齢や経歴の長さではなく、設問との関連性を重視しましょう。同じ出来事でも、何を学び、どう考察するかによって文章の役割が変わります。
| 対象 | 材料になりうる経験 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 高校生 | 授業、部活動、委員会、学校行事、地域活動 | 成功体験の紹介だけで終わらせない |
| 社会人 | 接客、事務、対人支援、仕事上の協働、子育て、介護 | 職歴の説明や転職理由に偏らない |
| 既卒者 | 受験準備、学び直し、就労、生活の中での気づき | 反省だけで終わらず、考えの変化を示す |
社会人入試の小論文であっても、すべての問題に職歴を書く必要はありません。経験を求める設問なのか、課題文に基づく考察を求める設問なのかを確認してください。
独学で難しい部分だけ相談する方法もある
小論文は独学でも練習できます。ただし、自分で書いた文章について、設問とのずれや理由の不足を判断しにくい場合は、第三者の視点を取り入れる方法があります。
特に、次のような状態が続く場合は添削や個別指導を検討するとよいでしょう。
- テーマを見ても主張が決まらない
- 字数を増やそうとして同じ話を繰り返す
- 体験談から考察へ進めない
- 要約と自分の意見が混ざる
- 時間内に書き終わらない
- 答案を見直しても、どこを直すべきかわからない
さくら看護予備校では、小論文だけに絞った受講も案内しています。添削・授業の回数、希望する入試方式への対応、オンラインでの受講方法、料金は、志望校と受験日を伝えたうえで確認してください。
添削サービスは、返却後の学び方まで確認する
添削を選ぶときは、赤字の量や提出回数だけでなく、なぜ修正が必要なのかを理解できるか確認しましょう。書き直した答案を再提出できるか、質問できるかも判断材料になります。
相談時には、次の内容を確認すると比較しやすくなります。
- 志望校の出題形式に対応しているか
- 課題文の要約や図表問題も見てもらえるか
- 添削にどの程度の日数がかかるか
- 書き直した答案を再提出できるか
- コメントについて質問できるか
- 制限時間内に書く練習もできるか
- 受験までの回数と総額はいくらか
さくら看護予備校の小論文対策コースは、答案の構成・内容・表現に関する個別フィードバックと、反復練習を案内しています。具体的な受講条件や対応範囲は、無料相談で確認してください。
よくある質問
看護学校の小論文には、必ず看護師になりたい理由を書きますか?
必ずではありません。志望理由を問われている場合は必要ですが、課題文の要約や社会的な課題への意見を求められた場合は、その設問に答えます。すべての答案を志望理由書のようにしないことが大切です。
医療の知識がなくても小論文は書けますか?
身近なテーマや課題文をもとに考えられる問題もあります。ただし、必要な知識や読解力は学校の出題形式によって変わります。過去問を確認し、医療・福祉などの基本用語を調べながら、自分の言葉で説明する練習を進めましょう。
看護学校の小論文は800字ぴったり書く必要がありますか?
設問の指示によります。「800字以内」と「800字程度」では条件が異なるため、同じルールで判断しないようにしましょう。字数を埋めるための繰り返しより、求められた内容を不足なく書くことを意識してください。
自分の体験を書いてもよいですか?
設問に合う内容であれば、具体例として使えます。ただし、要約だけを求められている部分に体験を書いたり、一つの体験をすべての人に当てはめたりしないよう注意しましょう。個人が特定される情報や、他人の病歴などにも配慮が必要です。
社会人入試では、職歴を小論文に入れたほうがよいですか?
必須とは限りません。経験を踏まえるよう指定がある場合や、主張の説明に役立つ場合に使います。職歴の長さを示すより、その経験から何を考え、設問にどう答えるかを重視しましょう。
小論文の例文を覚えておけば対応できますか?
例文の丸暗記だけでは、設問が変わったときに対応しにくくなります。例文からは、主張と理由のつなげ方、具体例の使い方、段落の役割を学び、自分で別のテーマに書き換える練習をしてください。
小論文だけ予備校で添削してもらえますか?
対応は予備校やコースによって異なります。さくら看護予備校は小論文のみの対策にも対応すると案内しています。添削の方法、回数、返却時期、受講費用は申込前に確認しましょう。
看護専門学校の小論文は、どのように勉強すればよいですか?
まず、受験する看護専門学校の募集要項と過去問を確認し、テーマ型・課題文型・資料型のどれに近いかを調べます。そのうえで、設問の読み取り、構成メモ、執筆、見直しという順番で練習しましょう。
学校によって字数や試験時間が異なるため、一般的な800字練習だけで終わらせず、志望校の条件でも書いてみることが大切です。
看護大学の小論文は、専門知識を多く書くほど評価されますか?
専門知識の量だけで評価が決まるとは限りません。設問を理解し、課題文や資料を踏まえ、根拠をもって考えを説明することが重要です。
高知県立大学の看護学科では、小論文で学修に必要な思考力・判断力を総合的に評価すると示しています。自分の志望校が公表している評価基準を確認し、理解していない専門用語を無理に使わないようにしましょう。
課題文の要約では、自分の意見を書いてもよいですか?
要約だけを求められている場合は、自分の意見を混ぜず、筆者の主張や説明をまとめます。感想や反論は、それを求める小問で述べてください。
筆者が何を問題とし、何を主張し、どのような理由で説明しているかを整理すると、内容を正確にまとめやすくなります。
課題文の筆者に反対する意見を書いてもよいですか?
自分の意見を求める設問であれば、筆者と異なる立場から考えることもできます。ただし、課題文を誤って理解したまま反対しないことが大切です。
どの主張に賛成・反対するのか、その理由は何かを明確にし、筆者の考えを踏まえたうえで論じましょう。要約を求める部分では、反対意見を入れないようにしてください。
小論文には、必ず反対意見を書かなければいけませんか?
必ずではありません。設問、字数、論点に応じて判断します。
別の立場や提案の限界に触れることで考察が深まる場合はありますが、形式を整えるためだけに反対意見を入れると、主張が曖昧になることもあります。自分の答えを説明するうえで必要かを考えましょう。
「患者さんに寄り添いたい」という表現は使わないほうがよいですか?
使ってはいけないわけではありません。ただし、その言葉だけでは、何をすることなのかが伝わりにくい場合があります。
「不安を聴く」「本人が希望することを確認する」「説明が伝わっているかを確かめる」など、自分が考える具体的な姿勢や行動を添えて説明しましょう。
小論文に書く経験がない場合は、どうすればよいですか?
特別な医療体験や大きな成功経験が必要とは限りません。設問が経験を求めていなければ、課題文や一般的な場面をもとに論じることもできます。
経験を求められた場合は、学校生活、仕事、地域活動、家族との関わりなどを振り返り、考えが変わった場面や、相手の立場に気づいた場面を整理してみてください。経験を作り上げることは避けましょう。
800字の小論文で、字数が足りなくなります。どうすればよいですか?
主張を繰り返して埋めるのではなく、「なぜそう考えるのか」「具体例から何がいえるのか」「別の立場への配慮は必要か」を確認しましょう。
理由や考察の説明が抜けていると、短い文章で終わりやすくなります。構成メモの段階で、主張・理由・具体例・まとめの材料を用意してから書くことをおすすめします。
小論文の書き出しに時間がかかる場合は、どうすればよいですか?
印象的な一文を作ろうとしすぎず、まず設問に対する答えを短く示しましょう。「私は〇〇には△△が必要だと考える」のような形から始める方法があります。
ただし、要約や説明を求める設問では、自分の主張から書き始める必要はありません。小問の役割に合わせて書き出しを選んでください。
図表を使う小論文で、数字はどのように書けばよいですか?
資料の単位、対象、調査時点などを確認したうえで、設問への回答に必要な数値を選んで書きます。数字をすべて並べるのではなく、増減、差、特徴を説明しましょう。
また、資料から読み取れる変化と、その原因の推測は分けてください。グラフに示されていない原因を、事実として断定しないことが大切です。
看護学校の小論文では、ニュースを毎日覚える必要がありますか?
ニュースの暗記そのものを目的にする必要はありません。志望校の形式に合わせて、医療・福祉・社会の出来事について、何が課題で、誰に影響があり、どのような立場があるのかを整理しましょう。
記事を読んだ後に「要点」「自分が考えたこと」「まだわからないこと」を分けてメモすると、知識と意見を区別する練習にもなります。
小論文は何本書けば合格できますか?
すべての学校・受験生に共通する必要本数は示せません。現在の文章力、志望校の形式、受験までの期間によって必要な練習は変わります。
本数だけを増やすより、書くたびに課題を一つ見つけ、書き直しで改善できたか確認することが大切です。本番と同じ時間・字数で書く練習も取り入れましょう。
独学で書いた小論文は、どこから見直せばよいですか?
最初に設問へ答えているかを確認し、その後で主張、理由、具体例、表現の順に見直します。
誤字だけを直しても、設問とのずれや説明不足は残ることがあります。各段落の役割を一言で書き出すと、同じ説明の繰り返しや、主張に関係しない部分を見つけやすくなります。
過去問の課題文が公開されていない場合はどうすればよいですか?
学校の公式サイトで、資料請求や閲覧などの案内を確認してください。著作権の関係で、インターネット上では課題文の一部が省略される場合があります。
東京医療保健大学も、著作権上の理由により一部掲載していない場合があると案内しています。省略された問題を見て、実際の読解量や難易度を判断しないようにしましょう。
小論文の添削では、何を確認してもらえばよいですか?
誤字脱字だけでなく、設問への対応、主張と理由のつながり、具体例の適切さ、課題文の理解、構成、字数配分を確認してもらいましょう。
さくら看護予備校の小論文対策コースでは、構成・内容・表現について個別のフィードバックを行う流れを案内しています。指摘を受けた後に、なぜ修正するのかを理解し、書き直しへつなげることが大切です。
オンラインでも看護学校受験の小論文対策はできますか?
答案を共有して添削・解説を受けるなど、オンラインで取り組める対策はあります。ただし、提出方法、使用する機器、返却までの日数、質問対応、再提出の可否はサービスによって異なります。
さくら看護予備校での受講を検討する場合は、小論文対策コースの内容に加え、希望するオンライン受講の方法と、志望校の形式に対応できるかを確認してください。
まとめ:小論文は「何を書くか」より、まず「何を問われているか」を確かめよう
看護学校受験の小論文では、看護への熱意や知識の量だけでなく、設問を理解し、自分の考えを根拠とともに伝えることが大切です。テーマ型・課題文型・資料型の違いを確認し、主張・理由・具体例・まとめの役割を意識して練習しましょう。
最初から立派な文章を書く必要はありません。問いに答える一文を決め、理由を挙げ、具体例を添える。その答案を読み直し、必要なら添削を受けて書き直すことで、改善点が見えるようになります。
さくら看護予備校では、看護系テーマの分析から構成作り、時間内の執筆、個別の添削・解説、反復練習までを案内しています。「何を書けばよいかわからない」「書いた答案を客観的に見てほしい」という方は、小論文対策コースや無料相談で、志望校に必要な準備を確認してみてください。


